プサン空港のおじさん
先日、韓国の学生と交流する為に、プサンからソウルへ向かう道のりで問題が起きた。それは空港から駅へのバスの運行が聞いていたよりも、かなり少ない本数しか出ておらず、予定した時間よりも大幅に遅れてしまうことだった。この事態に困っていたところ、あるおじさんがやってきて話しかけてきた。
そのおじさんは「日本人か?何しに来たのか?」とか、多くの質問を投げかけてきた。そのときに私たちは、それどころではなく、正直そのおじさんがとても煙たい存在に他ならなかった。
しかし、そのおじさんに「これからどこに行くのか?」と質問されたときに、プサン駅にバスで向かうと答えたところ、バスの本数が少ないことで困っていることを察したのか、「俺ならバスを呼べるから、ちょっと待っていろ」と言い出した。そのおじさんを私たちは「怪しい存在」と認識していたが、バスは程なく私たちの目の前に現れた。
完全に私たちのために用意されたバスを目前として、驚きは隠せなかった。日本だったら、そこまでイレギュラーなことに対応することなどなく、バスが来るのを待つことになっていただろう。そのおじさんに心の中で謝りながら、精一杯の感謝の気持ちを込めて、「カムサハムニダ!」と伝えた。今でもおじさんのあの笑顔は忘れられず、彼は間違いなく、私たちのヒーローだった。
(青山学院大学4年 辻村映彦)




















