MD学生記者クラブが取材しています  
会社概要


後輩を育てることでも使命感は満たされる


 大学を出て三菱金属(現 三菱マテリアル)に就職した24歳の頃、会社の先輩が読んでいた本に次の一節を見つけました。
「人は後世に対して義務と責任がある。また前世に対しては権利こそあれ義務はない」

 私はハッと気づきました。「後世」を自分によって影響を受ける人、つまり、親であれば子ども、会社であれば自分の部下と考えれば、その人たちに対して責任や使命がある。

当時、私には部下が15人いたのですが、彼らの顔を1人1人思い浮かべながら、この部下に対してはこう指導してあげようとか、部下に合わせた使命感を感じていたところでした。

 うれしくなって、帰るなり私は母親にこう言ってしまいました。
「親は子どもが一人前になるまで育て上げる義務があるけど、子どもには親の面倒をみる義務はないんだよ」
 さすがに母親は怒りましたね(笑)。「義務は無いけど、権利はあるから安心してくれ」と言うべきところを、あえてこう言ったので当然の怒りでした。

 この単純な事柄に使命感を持ったことで、寝る前の5分間の悩みが消え、その日以来、私はぐっすり眠れるようになりました。

 その一方で私は「なぜか?」と問いかけずにはいられない性分ですので、今度は、悩みはなぜ消えたのか、そこには大事な本質があるはずだと考えるようになりました。

 お腹が空いて、何かを食べれば食欲が満たされて満足する。それと同じように、悩みが消えたのには、それを満足させた何かがあったはずだ。そう考えていったときに、私が部下のことを思いやったように、人間の本能に貢献心が存在することがおぼろに浮かんできました。


1ページへ 2ページへ 3ページへ
(c)2008 DIAMOND INC, All rights reserved.
壱番屋