孫 - ルーさんと言葉のやりとりをするなかで、彼の目のすがすがしさが印象に残りました。 目の輝き、彼の目の力にピンとくるものがあったのです。

 人間の誠意とか、ハートとか、やる気というものが総合的に目に表れるのではないかと思います。 僕は子どものときに剣道の道場に通って、北辰一刀流を習っていたのですが、 剣道である程度上達してくると、竹刀の先を見つめるのではなくて、戦う相手の目だけを見るのですね。 相手の腕を見たり、腕の動きを見たり、竹刀の動きを見て反応をするのでは手遅れなのですよ。

 相手の出方を読むのに最大のポイントは目なのです。相手が攻めてくるというのは目でわかるのです。 目の微妙な動き、つまり目というのはそれほどまでに心を語るものだと。

生田 - ソフトバンクモバイル常務の藤原和彦さんや、ソフトバンクBB常務の筒井多圭志さんも目で見抜いたわけですか?

孫 - いや、もちろん総合的なものなのですが、共通しているのはやっぱり目が生きていたということです。 いろいろ皆、性格は違いますが、やっぱり僕の心に踏み込んできますよね。人生に輝きを求めている人間は、目が生きている。

生田 - わかります。ところで、孫さんは、ビル・ゲイツさんのお知り合いでいらっしゃるが、孫さんから見て彼はどんな人物ですか。

孫 - ビル・ゲイツというのはすごい男で、僕が今まで言葉のやりとりをして、あれほど頭の回転の速い男は1人もいないというくらいすごい。 彼はハーバード大学の入学試験も、800満点中800満点で合格しています。

生田 - 798点と799点の1点差と、799点を800点満点にする1点の差は大きく違う。 満点を取るその1点は、じつに大きいですね。

孫 - そうなのです。800満点の800満点です。つまり1点のミスもない男。
 彼は記憶力も思考力もすごくて、やる気もすごいという、まれに見る男なのですけれども、 やっぱりいるのですね、たまにそういう人間が…。

 

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