生田 - そのビル・ゲイツさんがすごいと思っている人は、ひょっとして孫正義?

孫 - いえいえ、僕は直接、彼に質問したことがあるのです。
 ビル・ゲイツさん、あなたの目から見て、いちばんすごいと思った男は誰だと。 そうしたら、ポール・アレンだと言ったのですね。

 ポール・アレンというのは、ビル・ゲイツの最初の創業時の仲間なのですが、 ポール・アレンは決して記憶力がよい男ではないと。計算も速くない。ビル・ゲイツと対極の男なのですよ。

 ビル・ゲイツいわく、「ハーバード大学の入学試験で800満点の800点を取るのは別にたいしたことではない。 それは飛行機でいえばアクロバット飛行のようなもので、単に技を練習すればできる。 本当に大切なのは、普通の人が考えつかないようなことを、深く洞察できる能力だ。 深い洞察力のほうがはるかに重要だ。だから私はあの男を高く評価している」と。

生田 - なるほどいい話だね、私も感動するね。

孫 - ビル・ゲイツと、ポール・アレン。 英雄は英雄を知るということですね。

構成・文/大木由美子

 

   

 目は嘘をつけない。だから相手の目を見てはっきり物を言う人間には、迫力がある。 私も若いころ、上に向かって自分が正しいと思うことをいうときは、 上司の顔色ではなく目を見て説得するようにしていた。

 専務時代、外航海運業界で各国の船会社のトップとの提携話をまとめ、 世界初の定期船のアライアンスをまとめあげたが、その際も相手の目を見て、信頼関係が本当に結べる相手かどうか確かめた。

 孫さんが、ビジネスパートナーであるルーさんや藤原さん、筒井さんの目を見て ピントきたというのも道理で、何かを一途にやり遂げようとする人間の目には、人と違った輝きがある。

 
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